過ぎ去る時間とロックバンド ~koboreスーパーソニックツアー福島2nd LINEを観て~
時間が過ぎ去るのは早かった。
僕らにとってまさにkoboreはスーパーソニックだった。
5/9(木)、前回の「爆音を鳴らせ」ツアーから約半年。同じ場所でのライブは半年前とは違いSOLD OUT。当日券はなし。
正真正銘の完売。フロアには人が溢れており、半年前とはまるで違う景色が広がっていた。
19:00、定刻通りに先攻「Track's」のライブがスタート。
MCで何度もkoboreへの感謝をのべつつも、2バンドで競って今日という日を最高にしようという意気込みが感じられるライブでフロアの熱気を最高潮に上げる。
Track'sがライブを終え、30分程度の転換を挟んで「kobore」のライブがスタート。
1曲目は定番曲「ヨル ヲ ムカエニ」
曲が進行するごとにテンポが早くなるこの曲。これからライブが始まるという高揚感を与えつつ、次にプレイされた曲は最新アルバムから「ティーンエイジグラフィティー」1曲目で与えられた高揚感も手伝って、すでに多くの人が拳を上げてkoboreに応える。
その後もkoboreは「グッバイ・シーユー」「ワンルームメモリー」「夜を抜け出して」など新旧アルバムから様々な曲を披露してライブを展開する。
GtVo.佐藤はMCで
「はじめてここに来たときなんてお客さん全然居なくて。開場してしばらくしてもお客さん0とかで。でも、今日はたくさんの人が観てくれてる。満員の2ndLINEってこんなんなんだね。」
と感慨深そうに語った。
テレキャスターの歌詞には
"いつまでこんなことやってんだって
たまに思うことがあるよ そりゃそうだよな
星の数ほどいる中の
1つにしかすぎないんだからさ"
という歌詞がある。
バンドを始めたときはたしかに"星の数ほどいる中の1つ"にしか過ぎなかったのかもしれない。
しかし、今のkoboreはファンにとって、そしてバンドシーンにおいても重要な唯一無二の存在になっていた。
「夜を抜け出して」の演奏を終え、GtVo.佐藤が口を開く。
「今日だって秘密で来てくれる人だって居ると思うんですよ。フロアの端で俺らから隠れながら観てくれてる人だって。」そうしんみりと語り、「本気で歌います」という言葉を挟んで演奏されたのは「ヨル ノ カタスミ」
これは筆者の憶測にすぎないが、おそらくGtVo.佐藤のゆかりの深い、今は関わりを絶ってしまった人物が秘密でライブに来たのを見てしまったのではないだろうか。
その人物に向けて"本気"で唄った「ヨル ノ カタスミ」は美しかった。
"エモい"という言葉で片付けるのが勿体なく感じてしまうほど感情を揺さぶられる唄だった。
「ヨルノカタスミ」も終わり、いよいよ終わりがちらつく時間。
そんな寂しさも感じさせないテンションでプレイされたのは「テレキャスター」
最新アルバムにも再録された人気曲にファンもよりステージ前に密集し、フロアはさらなる熱気に包まれる。
そこから「幸せ」「東京タワー」「君にとって」を挟み、「爆音の鳴る場所で」を演奏し、本編は終了。
しばらくしてからメンバーがアンコールに登場する。
Ba.田中の小ボケやGtVo.佐藤の「ありがとう」という感謝の言葉をはさみ、「時間も押してるので1曲だけやります。」という言葉から演奏されたのは廃盤になった1stミニアルバム「ヨル ノ カタスミ」から「当たり前の日々に」
正真正銘の最後の曲。
1番の「ありがとう」をファン全員で、2番の「ありがとう」はGtVo.佐藤が唄う。
少し荒々しくも聴こえる演奏がバンドの興奮や高揚感を表していた。
そして曲が終わり、Track'sやファンへの感謝を述べてメンバーは退場。
ダブルアンコールを求める声もあがりながらライブは終演。
客も次々と退場し、先ほどまで騒がしかったのが嘘のように穏やかな雰囲気に変わっていた。
次のライブ、ツアーファイナルは渋谷CLUB QUATTROで盟友「KOTORI」を迎えての2マンライブ。
残念がら筆者は観ることが出来ないが、おそらく最高のライブになるだろう。
長期に渡るツアーもいよいよ終わり。
このツアーを経て、koboreがどのように躍進していくか。
今後のkoboreの活躍に期待が集まる。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
SETLIST
1.ヨルヲムカエニ
3.どうしようもないな
4.スーパーソニック
6.グッバイ・シーユー
7.涙のあと
8.ローカルから革命を
9.ナイトワンダー
10.おやすみ
11.夜を抜け出して
12.ヨルヲムカエニ
13.テレキャスター
14.幸せ
15.東京タワー
16.君にとって
17.爆音の鳴る場所で
En.当たり前の日々に
一目惚れe.p.をひも解く
一目惚れe.p.
My Hair is Badの2枚目のシングルであるこの1枚に描かれたある一人の女性を今回は様々な歌詞やインタビューを基にひもといていきたいと思います。
まずある一人の女性とはVo.椎木の元カノです。
椎木さんはとあるインタビュー(※1)で彼女と別れて吐いたことはあるか、という話に対して
"いや吐いたことはありますよ。過呼吸になって。フラれたとかじゃなかったけど。〇〇ちゃんの時。アレ、一目惚れEPのときッスね。”
と発言しています。
このインタビューの発言から、一目惚れe.p.に描かれた女性が1人の女性であること、そして元カノであることが伺えます。
まずこの相関図を見てください。
この相関図は一目惚れe.p.の収録曲と他曲とをインタビューなどでの情報を基に紐づけたものです。
この7曲の歌詞やインタビューを見て分かったこと。
それは元カノはわがままが多い良い意味でも悪い意味でも女性らしい子ということと椎木さんが元カノことをこよなく愛していたということです。
まず1つ目のわがままが多い良い意味でも悪い意味でも女性らしい子という部分について解説していきます。
椎木さんはインタビュー(※2)で「最愛の果て」という曲について
”こんな男いないですよねー。これは超絶皮肉というか。(女子に向けて)こんだけやったらいいんでしょ? って。まあ「真赤」の子なんですけど。好きで好きでしょうがなかったんです。でも、“その果てにあったもの”ってなんだったんだろうって。どうなったら良かったんだろうと思って書きました。”
と語っています。
この言葉から「最愛の果て」が一目惚れe.p.の元カノについて書かれていることがわかります。また、曲の歌詞が椎木さんがすべてを許してあげるという内容になっていることからわがままな子であったことがわかります。
そして、「愛ゆえに」の歌詞
”私「重たい」って思ってるんでしょ
美人だし良いでしょ
私「疲れる」って思ってるんでしょ
でも私が良いんでしょう”
この歌詞から元カノはプライドが高く良くも悪くも思ったことを言えない女性らしい部分がある子だということがわかります。
この2つ以外にも様々な理由がありますが主にこの2つの理由から元カノがわがままが多い良い意味でも悪い意味でも女性らしい子であると解釈しました。
次に2つ目の椎木さんが元カノことをこよなく愛していたという部分についてです。
先ほども引用した発言の
”好きで好きでしょうがなかったんです。。”
という部分。
そしてその子のことを書いた曲が「最愛の果て」というタイトルであるということ。
最愛。最も愛した。彼女と別れたあとに書いた曲にそのようなタイトルを付けるということは相当愛していたのでしょう。
こちらもこの2つ以外にも様々な理由がありますが主にこの2つの理由から椎木さんが元カノことをこよなく愛していたと解釈しました。
この2つの解釈以外にも様々な解釈があり、曲を聞けば聞くほど様々な元カノ像が浮かびます。
マイヘアの曲は自分の実体験と曲とを重ねて聴く人が多いと個人的には感じていますが、このようにドラマや小説をひも解く、いわば解釈するような形で聴いてみるのも1つ面白い聴き方だと思いますのでおすすめです。
また良ければ次の記事で会いましょう。
読んでいただきありがとうございました!
※1
My Hair is Bad × Danablu 年間200本ライブしてるバンド対談企画 前編
引用元:https://basement-times.com/my-hair-is-bad-danablu-1/
(2019-04-28)
※2
My Hair is Bad椎木×話題の美女モデル武居による同世代トーク【前編】
引用元:https://www.m-on-music.jp/0000118833/
(2019-04-28)
Fantasitic!~My Hair is Bad 初の大阪城ホール2Daysを観て~
Fantastic!
その言葉とほぼ同じ感情をライブが終演しライトに照らされたときに抱いた。
両日とも「惜春」から始まったライブは「真赤」「アフタアワー」「告白」など様々な曲を挟みながら1つの物語のように進行されていった。
2日通して印象に残ったのはやはりライブの完成度だった。
1日目は「僕があの日見たのは確かにその色でした。」
2日目は「ずっとあの色見てたのに。」
そんな風に少し寂しそうに呟き歌い始めた「真赤」
そしてその流れで披露された「悪い癖」、1日目と2日目で曲を変えて披露された「彼氏として」と「運命」
MCを挟まずに披露された3曲は友人の過去の恋愛話を聞いているかのようなリアリティーを持って伝わってきた。
また、そのあとにMCを挟んで披露された「卒業」は終わったはずの物語の続きのような、そんな雰囲気を持った曲に仕上がっていた。
音源でもライブでもライブ映像でも、何百回も聴いた達を全く違う曲にしてしまう、そんな力を My Hair is Bad は確実に、より強く身に着けていた。
筆者が My Hair is Bad のワンマンライブを最後に見たのは3月に行われたギャラクシーホームランツアー、その大阪公演にあたるオリックス劇場公演だった。
筆者としてもバンドとしても初のホール公演だっただけに「微妙」という印象を受けたのを覚えている。
だからこそ今回の公演をスタンド席で見ることに不安もあった
だが、 My Hair is Bad はそんな不安さえも1曲目から吹き飛ばしてきた。
Vo.椎木は2日間通して様々なことを話した。
その中でも印象に残った言葉が「俺たちはライブハウスから来た。」という言葉と「こんなにみんなが歌ってくれるなら叫んで声が出なくてもいいと思った。」という言葉だった。
椎木はこの2日間で何度も「ライブハウス」という言葉を吐いた。
初期から披露されている名曲「ディアウェンディ」ではステージから降りてスタンド間近まで行き、「ここをライブハウスにしたい。」と叫んだ。
武道館を2Days完売させ、大阪城ホールも2Days完売。
もう完全にライブハウスから離れたかのうような感覚に筆者は陥っていたが、My Hair is Bad はいつまでも"ライブハウス出身”の”ライブハウスが大好き”なバンドだった。
彼らにとって「ライブハウス」という場所は”家”であり、時には”戦場”にもなる大切な場所であるということがこの言葉から感じられた。
椎木が2日目のMCで言った「こんなにみんなが歌ってくれるなら叫んで声が出なくてもいいと思った。」という言葉もまた重要な意味を持った言葉だった。
椎木は2017年のはじめ、ポリープでバンド活動を休止し喉の手術をしている。
そんな椎木が「声が出なくなってもいい」という言葉を吐いたことが、大阪城ホール2Days SOLD OUT それがバンドにとって、そして椎木にとって、どれほど嬉しいことだったかを表しているように感じた。
この2つの言葉や冒頭に書いたことの他にも書き記したいことは山のようにあるが、文章があまりに長くなってしまうのでここでは割愛する。
武道館2Days、そして大阪城ホール2Days。
そんなバンドにとっても”初”の体験を経た3人はこれからどんな動きをするのか。
6月には新しいCDの発売も控えている。
今後の My Hair is Bad の動向に今後も注目していきたいと思う。