Fantasitic!~My Hair is Bad 初の大阪城ホール2Daysを観て~

Fantastic!
その言葉とほぼ同じ感情をライブが終演しライトに照らされたときに抱いた。

 

両日とも「惜春」から始まったライブは「真赤」「アフタアワー」「告白」など様々な曲を挟みながら1つの物語のように進行されていった。

 

2日通して印象に残ったのはやはりライブの完成度だった。

 

1日目は「僕があの日見たのは確かにその色でした。」

2日目は「ずっとあの色見てたのに。」

そんな風に少し寂しそうに呟き歌い始めた「真赤」

そしてその流れで披露された「悪い癖」、1日目と2日目で曲を変えて披露された「彼氏として」と「運命」

MCを挟まずに披露された3曲は友人の過去の恋愛話を聞いているかのようなリアリティーを持って伝わってきた。

また、そのあとにMCを挟んで披露された「卒業」は終わったはずの物語の続きのような、そんな雰囲気を持った曲に仕上がっていた。

 

音源でもライブでもライブ映像でも、何百回も聴いた達を全く違う曲にしてしまう、そんな力を My Hair is Bad は確実に、より強く身に着けていた。

 

筆者が My Hair is Bad のワンマンライブを最後に見たのは3月に行われたギャラクシーホームランツアー、その大阪公演にあたるオリックス劇場公演だった。

筆者としてもバンドとしても初のホール公演だっただけに「微妙」という印象を受けたのを覚えている。

だからこそ今回の公演をスタンド席で見ることに不安もあった

だが、 My Hair is Bad はそんな不安さえも1曲目から吹き飛ばしてきた。

 

Vo.椎木は2日間通して様々なことを話した。

その中でも印象に残った言葉が「俺たちはライブハウスから来た。」という言葉と「こんなにみんなが歌ってくれるなら叫んで声が出なくてもいいと思った。」という言葉だった。

 

椎木はこの2日間で何度も「ライブハウス」という言葉を吐いた。

初期から披露されている名曲「ディアウェンディ」ではステージから降りてスタンド間近まで行き、「ここをライブハウスにしたい。」と叫んだ。

武道館を2Days完売させ、大阪城ホールも2Days完売。

もう完全にライブハウスから離れたかのうような感覚に筆者は陥っていたが、My Hair is Bad はいつまでも"ライブハウス出身”の”ライブハウスが大好き”なバンドだった。

彼らにとって「ライブハウス」という場所は”家”であり、時には”戦場”にもなる大切な場所であるということがこの言葉から感じられた。

 

椎木が2日目のMCで言った「こんなにみんなが歌ってくれるなら叫んで声が出なくてもいいと思った。」という言葉もまた重要な意味を持った言葉だった。

椎木は2017年のはじめ、ポリープでバンド活動を休止し喉の手術をしている。

そんな椎木が「声が出なくなってもいい」という言葉を吐いたことが、大阪城ホール2Days SOLD OUT それがバンドにとって、そして椎木にとって、どれほど嬉しいことだったかを表しているように感じた。

 

この2つの言葉や冒頭に書いたことの他にも書き記したいことは山のようにあるが、文章があまりに長くなってしまうのでここでは割愛する。

 

武道館2Days、そして大阪城ホール2Days。

そんなバンドにとっても”初”の体験を経た3人はこれからどんな動きをするのか。

6月には新しいCDの発売も控えている。

今後の My Hair is Bad の動向に今後も注目していきたいと思う。